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【マスターピースシリーズ】耳をすませば

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柊あおい原作・近藤喜文監督作品

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今回のアニメーション映画も、個人的には傑作中の傑作で、
リアルタイムで映画館に複数回観に行き、
マーニーを観るまでは私が最も好きな映画TOP3に入っていた作品
ご紹介する、【マスターピースシリーズ】としてお届けします。

第3作目にして大トリを飾るのは、思い出のマーニーを観るまでは
圧倒的に頂点に君臨し続け、自分の将来までも決めた唯一無二の最高傑作である、
柊あおいさん原作・近藤喜文監督による1995年公開のスタジオジブリ映画、
耳をすませばです。

もう私にとってこの映画は絶対的な存在でして、
初めて観た時期からストーリー、音楽、演出、スタッフに至るまで何もかも全てが
完璧で文句の付け所がない、世界で最も好きな映画と言っても過言ではない作品です。
今はさすがに思い出のマーニーが頂点ですが、その差はほぼないに等しいので
まさに自分にとってはジブリ作品が2強を飾る形になっています。

この映画についてはあまりにも有名すぎる上に20年も経っているので、
皆さんストーリーは知っているでしょうからあらすじを長々と書くのは止めにして、
何故私がこの映画をそんなに好きなのかを感想としてまとめながら、
この映画の魅力について書いていこうと思います。

なお、今回はネタバレを含みますので、その点ご注意の上ご覧ください。

 

 

 

同じ立場から観て

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皆さんはこの映画のストーリーはもうご存知かと思いますが、
この映画は読書好きで恋愛沙汰には鈍い、画像の少女で中学3年生の【月島雫】が、
迫り来る【進路】という壁にぶつかりながら、読書を通じて知り合った
天沢聖司という同じ中学3年生の少年と出会うことで自分を見つめ直す物語です。

この映画が公開されたのは今からちょうど20年前の1995年夏でした。
この年は、ゲームではクロノ・トリガードラゴンクエストVI等が発売され、
映画ではゴジラVSデストロイアガメラ 大怪獣空中決戦等が発表された
驚異的な年でした。
後にも先にもこんな充実したコンテンツがあふれかえっていた年を私は知りません。

この映画は、その20年前の1995年の中で最も売れた映画となりました。
「何故進路に悩む中3の恋愛映画が?」とお思いになるかもしれませんが、
私は「当然1位になるべき映画である!」と断言して疑いません!

 

何故なら、この映画を20年前に映画館で初めて観た時、
私も中学3年生だったからですw

 

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この【中3が主人公の映画を中3が映画館で観た】という構図が、
私がこの映画にこの上ない特別な思い入れを持つ最大の理由となっています。
(まあ、歳がバレますがそんなのどうでもいい!w)

あれは忘れもしない、ちょうど20年前の1995年8月の時です。
毎日毎日進路のことを親と学校と塾に言われ続けて心底ウンザリしていた
当時中学3年生の私は、もう完全に高校へ行く気をなくしていました。

「そもそも高校なんぞどうでもええ、つーかもう勉強したない」と思っていた
私は、気分転換にジブリが映画をやってるというので観たのがこの映画だったのです。
そしたらその映画が【進路と恋に悩む中3】を映しているではないですか!
「はぁ!?おいィ、これも進路や言うとるやんけ!」とムカついた私は帰ろうかと
思ったのですが、と同時に「ちょお待て、こいつやったらどないすんねや?」
と思い直して、(恋がどうとかは置いといてw)最後まで観ることにしたのです。

 

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そしたらこの映画の何と素晴らしいこと!
彼女も進路というものにもがき苦しみ、喜怒哀楽に満ちた波乱含みの
中3であること、家や学校に加えて恋人からも追い詰められた形となって
とにかく何かに駆り立てないとやっていけないと奮闘するところ、
最後には自分があまりにも無知だったことを思い知ったことで
高校進学を決意したこと等、何もかも全てが私にはとても人事では済まされない話で
とてつもない衝撃を受けました。
いかに自分が浅い人間だったかもよくわかりましたし。

とにかく私としては本当に、
この映画を進路の壁にブチ当たった中3の時に観たという、
この意義は非常に大きい
です!
映画を観終わった時は、私もすぐに進路調査票を夏休みの真っ只中に提出*1して
高校進学を決めたわけですから、この映画は私の将来を決定づけたことになります。

この気持ちはさすがに私と同学年の方にしか味わえない感覚です。
私にとってもはやこの映画は、単なる感情移入の域を超えて、
この上ない教訓となった唯一無二の作品と言えます。
もしこの映画があと1年早かったり遅かったりしていたら
私はここまで特別な思い入れすることもなく、
将来はめちゃくちゃになっていたかもしれませんね。 

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人と違う生き方

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さて、この映画では天沢聖司という少年がキーマンとなって
より味わい深い物語になっていきます。
彼は雫と知り合う前からすでに進路が決定しており、バイオリン職人になるために
条件付きですがイタリアのクレモーナという古い街に行くことになっていました。

雫から見れば聖司はまさに高嶺の花であり、そのことが更に雫を追い詰めていく
要因ともなるのですが、しかし考えてみてください。
ただでさえ彼の進路は普通ではない上、15歳が海外留学など
まさに無謀という言葉がピッタリの所業です。
下手したら即刻彼の将来がめちゃくちゃになるのは容易に想像出来ます。
雫の父親も言っていましたが、
「人と違う生き方はそれなりにしんどい。何があっても誰のせいにも出来ない」
という潜在的に大きなリスクを抱えることを彼は選択した訳です。

 

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私も当時はフィクションならではのハイスペックな設定だな、としか思うところは
ありませんでしたが、今ならもの凄く理解出来ます。
今やこの私も海外在住、日本ではまさに一般的な将来像として今も筆頭候補である
【サラリーマン】生活からの完全脱却を選択し、
諸外国で土地を買ってはバカでかい建物を建設して、自分たちの農業を始めるという
道を歩むことにしたことで、【人と違う生き方】をしていると言えるでしょう。

 

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そんな中で生活してみて、まさに聖司が言った
「見ると聞くでは大違い」という言葉を心底理解することが出来ました。
何事も経験してみなければ本当のことはわかりません。
人から聞いた、ネットで見たなどという情報を完全に鵜呑みにするのではなく、
それらを活用しつつ実際に体験することで真実を知ることがどれだけ重要かを
今になってはっきりと思い知らされました。

確かにしんどいしキツイことも多くて大変なんですが、
日本での暮らしに比べたら圧倒的に生きがいを感じます。だからこそやる気も起こる。
聖司もそうであったように、私もこれからは自分が決めた道をただ突き進みたいと
思っています。

「耳をすませば」 サウンドトラック

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耳をすませば イメージアルバム

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車に轢かれて

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この映画は度々雫を始めとした登場キャラが車に轢かれそうになるシーン
観られますが、私はこの映画を観終わった帰り道に、車に轢かれましたw

世界で最も好きになった映画を観て、完全に余韻に浸りまくっていた状態だった私は、
帰り道は他人から見たら夢遊病者】に見えたことでしょう。
それ程心ここにあらずな状態だったので、歩行者信号が青なのは確認しても、
左右は確認しなかったのでそのまま歩いたらいきなりトラックに轢かれましたw

 

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普通なら立派な交通事故なので大事なんですが、
2m程吹き飛ばされた(と思います)私は右腕を擦りむいただけで済みました。
右腕から血が少々流れていましたが、そのまま放置して家に帰った記憶があります。

周囲の人は誰も私に声掛けしませんでしたが、その時の私にはありがたいことでした。
世間の音に何の関心も示していない状態だったので、
声掛けされても無視していたでしょう。
後にも先にも車に轢かれたのはこの時だけです。
こんな生死の境と将来の道標をいっぺんに見定めた日を、私は生涯忘れませんw

 

 

原石

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【地球屋】というアトリエを偶然見つけた雫は、そこで聖司の祖父の【西司朗】
という地球屋のオーナーと出会います。

 

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そこはファンタジー色あふれる空間で、読書好きの雫にはドストライクで
素敵な場所としてお気に入りの店となります。

雫は聖司が留学で遠い所に行ってしまう前に、物語を書くという決意をします。
その物語の主人公に、オーナーの物である【バロン】という猫の人形を
主人公にしたいためオーナーに許可を貰いに行くのですが、
その時にオーナーから【雲母片岩】という石を渡されます。

その石には【緑柱石】というエメラルドの原石が含まれていました。
彼は「聖司も雫さんもその石みたいなものだ。まだ磨かれていない自然なままの石」
実に深い発言をしてきます。

雫や聖司には若さがあり、何かに挑戦しようとしているその姿を見てオーナーは
石を出してきたわけですが、それはまさに【新しいことを始める】ことの素晴らしさを
説いていると言えるでしょう。

物事には何よりも【最初が肝心】です。
何故ならその最初にこそ新鮮さがあり、斬新さがあり、
注目に値する本来の良さが衝撃を伴って現れてくるからです。
これが時間が経つと、新鮮さは失われ、斬新さなど見る影もなくなり、
本来の良さも消えてしまって元には戻らなくなります。
【初心忘れるべからず】という言葉もあるように、
最初ほど重要な時はないのですから、ここでトチると後は何をどうやっても
成功はしないでしょう。

失敗を恐れないチャレンジ精神も重要ですが、勇気と無謀は別物であることも
理解しなければなりません。
やればいい、ってものでもないのが世の中の難しさです。
この映画はそういった理想と現実を、
実にわかりやすいストーリーで教えてくれるので本当にためになります。
私はこの映画によって大きく人生を良い方向に変えさせられる形となりましたが、
皆さんにとっても大きな意義のある映画であれば、なお嬉しく思います。

耳をすませば サウンドトラック

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耳をすませば イメージアルバム

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「耳をすませば」より 地球屋にて

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Take Me Home, Country Roads

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この映画の主題歌はカントリー・ロードという曲で有名ですが、
この曲はカバーソングであることも皆さんはご存知かと思います。

オリジナルはもちろん、ジョン・デンバーTake Me Home, Country Roads
ですね。もう超有名曲で沢山のアーティストにカバーされています。

 

Take Me Home, Country Roads

Take Me Home, Country Roads

そして本文始めの方には、
本編の冒頭でも流れるオリビア・ニュートン・ジョンのバージョンを載せています。

この曲は「故郷へ帰りたい」という心情を歌ったものですが、
今の私には故郷へ帰るつもりはないですね。
近いうちに一旦帰国予定ですが、またすぐに出国するので帰郷とはならないです。

7年くらい前に、東京在住だった私はこの映画の舞台であると言われている
聖蹟桜ヶ丘に行き、そこで【せいせきハートフルコンサート】というイベントにも
参加したことがあります。
そこでもこの曲を聴きはしたのですが、
このコンサートははっきり言ってとんでもなくひどかった!w

 

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そもそも私はこの映画の雰囲気に浸れるイベントだというから参加したのに、
出演者として登場した雫役の声優、本名陽子さんは突然プリキュア!】とか
言い出すし、映画とは何の関係もない人々が次々と舞台に上がっては、
映画とは何の関係もない曲を淡々と独奏して帰って行くという、
イベントとしては最低のどうしようもない茶番でした。

あの最低の茶番を観てしまってからは、この映画とは距離を置くことにしていたの
ですが、現地に移ってから再度映画を観ると、やはりこの映画の素晴らしさを
再確認し、今回の記事を書く次第となったわけです。

 

カントリー・ロード(耳をすませば)

カントリー・ロード(耳をすませば)

エンディングとして流れるこの曲は、【雫が作詞した】という設定で披露されますが
私はこの曲よりもコンクリート・ロードの方が圧倒的に印象強く記憶していますw

 

コンクリート・ロード

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この曲の歌詞に「ウェストトーキョー(西東京)」というのがあるんですが、
まさに私が東京在住時に西東京市在住でして親近感が湧くからですw
音楽としても十分なくらい楽しませてくれたことで、今まではこれを超える作品を
観ることは叶わなかったなと思っていました。

 

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しかし今や思い出のマーニーが最強の映画となったことで、
この映画は長きに渡る頂点の座から引きずり降ろされる格好となりました。
それでも私にとって人生の指標となったのは今でもこの映画のみです。
これからはマーニーと共に2強として鎮座してもらえたらと思っています。

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まとめ

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もう20年も経ってしまったか、と感慨深くなりますが
今は私も新しいことに挑戦する者として、再びこの映画の重要さに
ありがたみを感じる毎日です。
このような作品に巡り会わなければ、私の人生は終了していたかもしれない、
そう考えると本当に人生は巡り会わせが大切だとひしひし思います。

 

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雫も聖司も、巡り合わせの上にお互いを好き合うようになりました。
そこに至るまでには様々なドラマが繰り広げられるんですが、
そういうのも含めて人生ではないか、と思わずにはいられません。

私はこれからはいろんな国に行って、様々な国の文化や慣習などを見ながら
仕事(農業)の面でも海外展開の規模を広げようと思っているんですが、
海外暮らしが長くなると、もしかしたら故郷のことを何ら意識しなくなってしまう
時期が訪れるやもしれません。
そのような時にこの映画を観返すことで、自分がそもそも何を目的として
今必死こいて生活しているのかを忘れぬようにしたいですね。

このような大傑作を見事に作り上げた近藤喜文監督には
本当に心から御礼を申し上げる以外の言葉がありません。
今でも世界最強のアニメーターであると思っています。
直弟子である思い出のマーニーの米林(麻呂)監督や安藤作画監督
世界最強の映画を作り上げた以上、近藤監督の存在は今でも絶大です。

欲を言えば、もう1作監督作品を観たかった・・・!

ふとふり返ると―近藤喜文画文集

ふとふり返ると―近藤喜文画文集

 

 

*1:当時、私だけが提出していなかったw

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